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セールの損益分岐は77%。GWは超えていませんか?

セールの損益分岐は77%。GWは超えていませんか?

GWは予約で埋まった。 なのに、思ったほど利益が残らなかった……


月次を締めてそう感じたなら、原因の一つは2026年4月のある制度変更かもしれません。

それは楽天トラベルが「5と0が付く日」の企画ルールを変更し
これまで除外されていた特日(GWなど)が、除外されなくなってしまったからです。

こういうOTAからの通知を横目で見ながら
『中身までは追えていないけれど、放っておいていいのか?今すぐ何か手を打つべきなのか?』
判断がつかないまま、また明日の仕込みの時間になってしまう。

私も、そういう夜を何度も過ごしてきました。

多忙な宿オーナーに代わって
今日は、その一報を「20室の宿の収支」まで翻訳して解説します。

【要約】2026年4月に何が変わったのか?

・楽天トラベルが2026年4月からセールの制度を変更
・「5と0が付く日」の企画において、これまで除外されていた特日(GWなど)がなくなった。

お客様にとっては、ありがたいこの変更。
しかし我々ホテル経営者にとっては、痛い変更なのは言うまでもありません。

じゃあ単純に「セール出すの辞めたら良いじゃん。」と思うかも知れませんが
このセールに出稿されたことのある方ならご存知の通り、
この「5と0が付く日」には、かなりの集客力があり、
閑散期の特に平日などでは、宿を救う側の施策でもあったりします。

問題は、セールが効く日と、効かない日があるということ。

閑散期の平日は、セールがなければ埋まらない。
だから割引の分だけ確実に予約が増える。
一方でGWは、セールがあってもなくても、ほとんど同じように埋まる。

つまりGWにセールを適用すると、もともと入っていたはずの予約に、割引だけを配ることになってしまいます。

この「セールがなくても取れていたはずの予約の割合」を、
ここでは『カニバリ率』と呼ぶことにします。

今回の変更の本質は、手数料が上がったことではありません。
カニバリ率が最も高い日が、セールの対象に入ってきたことなのです。

20室の旅館を経営していたとして

※以下はぜひ皆さんも自宿の実績値に当てはめて検証してみましょう!

私が経営していた、ある時期の大和屋別荘(旅館19室)の実数を使って
今回の制度変更におけるインパクトを試算してみます。

Step 1|変動利益率を出す

変動利益率 = 1 − 送客手数料率 − 変動費率

変動費率は、食材・リネン・アメニティなど、1人増えたら増える費用の売上比率。
仮に送客手数料率17%、変動費率40%とすると、変動利益率は43%になります。

Step 2|セールの追加値引き率を出す

通常プランと比べて、セールプランで何%下げているか?
クーポン原資を宿側が負担している場合はそれも足してください。
ここでは仮に10%とします。

Step 3|損益分岐カニバリ率を出す

損益分岐カニバリ率 = 1 −(追加値引き率 ÷ 変動利益率)

先ほどの仮の数字なら、1 −(10% ÷ 43%)= 約77%.

この数値は読み方として、以下を表します。
セール経由の予約のうち77%以上が「セールがなくても入っていた予約」なら、そのセールは赤字
77%を下回るなら黒字。

閑散期の平日なら、カニバリ率が77%を超えることはまずありません。
だから広告を出す価値がある。

しかしGWはどうでしょうか?
例年ほぼ満室になる日のカニバリ率が77%を下回りそうでしょうか?

同じセール、同じ手数料率でも、日によって答えが正反対になってしまう
これが検証しないと見えない部分です。

明日、15分でやること

① 過去2年、GW期間の予約数と平均単価を出す。
② セール実施前と後で比べる。
③ セールプランと通常プランの実際の差額を計算し、追加値引き率を出す。

これだけで、GWをセール対象から外すべきか、あるいは特日は在庫を絞って出すか、判断の土台ができるようになります。

辞めるでも、脳死で続けるでもなく

避けてほしいのは、制度が変わったときに「じゃあ辞める」と反射で決めることと、「まあいいか」と検討しないまま続けることの、両方です。

制度が変わっても、自宿にメリットがあるなら続けるべきですし
逆に、ずっと出していたから今年も出す、では利益が削られ続けます。

1ptの変化を「たいしたことない」と見るか、「毎年じわじわ削られる構造」と見るか。
その判断のために必要なのは感覚ではなく、自分の宿の実数で検証することだと私は思っています。

数字さえ出れば、判断は驚くほど早く終わります。
出すのに、たぶん15分も掛かりません!


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